当研究所は、地域実践型シンクタンクとして「歴史を未来につなぎ、地域の知恵をまちづくりの力へ。」というミッション(詳しくは「私たちについて」をご覧ください)のもと、長崎市の空家等管理活用支援法人としての取り組みを進めています。
「空家等管理活用支援法人」とは
令和5年の空家等対策特別措置法改正により、市区町村長が空家等の管理・活用に取り組む法人を「空家等管理活用支援法人」として指定できる制度が創設されました。長崎市でもこの制度に基づき、空き家の相談対応や情報提供、調査研究等を行う法人が順次指定されています。当研究所も、令和8年9月2日付で長崎市より空家等管理活用支援法人の指定を受けました(指定期間:令和8年9月2日〜令和13年9月1日)。

「一般社団法人」とは
一般社団法人は、株式会社と同じく法務局への登記によって法人格を得る、正式な法人です。株式会社と異なるのは、株主や出資者が存在せず、利益を分配する仕組みを持たない「非営利型」の法人であるという点です。会員からの会費や事業収入は、株主への配当ではなく、すべて相談対応や調査研究、地域との対話といった研究所の活動目的に充てられます。
この仕組みは、空き家をお持ちの皆様にとって、次のような意味を持つと考えています。
- 特定のサービスへ誘導する必要がない——株主への利益還元という前提がないため、特定の解体・買取・改修サービスへ相談を誘導する構造的な動機がありません。ご本人にとって本当に必要な選択肢を、時間をかけて一緒に整理できます。
- 専門家をつなぐ「中立の窓口」でいられる——当研究所自体は不動産の売買・管理業務を行わず、相談内容に応じてあいぜん不動産や長崎まちづくり行政書士事務所など、適切な専門家へおつなぎする役割に徹します。
- 会員制の開かれた組織——地元の専門家や行政OB等、志を同じくする方々が会員として参加する組織であり、特定の一企業の利益ではなく、地域全体の課題解決を目的として活動しています。
一般社団法人の支援法人として、どう役に立つのか
長崎市が指定する支援法人には、株式会社として事業を営んでいる法人も含まれています。売却や解体をすでに決めており、やるべきことが明確な相談者にとっては、機動的に収益事業を展開できる株式会社が適しています。一方、思い入れのある実家をこれからどうすべきか思案している相談者には、対話を重ねながらともに今後の選択肢を整理していく一般社団法人が力になれると考えています。地域実践型シンクタンクである当研究所は、一般社団法人として、次の3点に注力することを目指しています。
- 所有者と最適な選択肢をつなぐ相談窓口——物件の取得を目的とせず、所有者にとって最適な選択肢(管理の継続、活用、売却、除却など)を一緒に整理します
- 地域との対話でつなぐ——坂の多い長崎特有の高齢化した住宅地(斜面地エリア)を中心に、実際に現地を歩いて現状を把握し、自治会などへヒアリングすることを通じて、所有者との対話を重ねます
- 実務パートナーへとつなぐ伴走型支援——相談内容に応じて、あいぜん不動産(管理・活用実務)や長崎まちづくり行政書士事務所(法務手続き)等、適切な専門家・団体へつなぎ、実務まで一気通貫でサポートします

行政の役に立つことも目指す
空き家対策は所有者個人の問題であると同時に、放置された空き家が防災・景観・地域コミュニティに与える影響という観点から、行政にとっても重要な課題です。当研究所は、地域と行政をつなぐ役割も担いたいと考えています。
- 相談を通じて把握した空き家予備群の情報を、所有者の同意のもとで行政の施策検討へつなぐ
- 「誰に相談すればよいかわからない」という所有者やその家族の不安を、対話でつなぎ解消する
- 移住検討者と空き家をつなぎ、利活用と定住促進を結びつける